プログラム

日時

前期・1日目

10/8

13:00 - 13:20

開会式

13:20 - 14:00

自己紹介・集合写真撮影

14:00 - 15:00

OB/OG招待講演 齊藤 敦美

15:15 - 17:00

実習 pythonプログラミング基礎 内田

前期・2日目

10/15

13:00 - 14:00

講義 不安定核の物理 中村 隆司

14:15 - 15:25

実習 荷電粒子の運動量測定 内田

15:40 - 17:00

実習 pyROOT基礎 内田

前期・3日目

10/22

13:00 - 14:00

講義 コライダーの物理 陣内 修

14:15 - 15:25

前半講義トピックに関連した実習

15:40 - 17:00

実習 素粒子発生事象の再構成 内田

後期・1日目

11/5

13:00 - 13:20

開会式

13:20 - 14:00

自己紹介・集合写真撮影

14:00 - 15:00

OB/OG招待講演 前田 順平

15:15 - 17:00

実習 Belle II 多変量解析基礎 内田

後期・2日目

11/12

13:00 - 14:00

講義 ハドロン・ハイパー核の物理 藤岡 宏之

14:15 - 15:25

前半講義トピックに関連した実習

15:40 - 17:00

実習 Belle II 機械学習を用いた物理事象解析 内田

後期・3日目

11/19

13:00 - 14:00

講義 重力波の物理 宗宮 健太郎

14:15 - 15:25

前半講義トピックに関連した実習

15:40 - 17:00

発表会・閉会式

講師紹介

不安定核の物理

中村隆司(なかむら たかし)
東京工業大学理学院物理学系教授
専門は原子核物理の実験。原子核の特異構造、特に中性子数が陽子数より過多な特異原子核(不安定核と呼びます)の性質を調べています。さらに、このような研究から宇宙での元素合成や中性子星の謎に迫ることも目指しています。 こうした研究は地上の加速器を使った実験で行っていて、世界の拠点研究所になった理化学研究所RIビームファクトリー(RIBF)を主に利用しています。
講演では、原子核による宇宙の元素合成の仕組みを解説し、RIBFでの世界最先端の実験などを紹介します。
参考文献 「不安定核の物理」基本法則で読み解く物理学最前線8, 中村隆司著、共立出版

コライダーの物理

陣内 修(じんのうち おさむ)
東京工業大学理学院物理学系教授
専門は高エネルギー素粒子実験。
我々の宇宙を構成する物質・力の基本となる素粒子を調べています。「ATLAS」はスイス・ジュネーブのCERN研究所で行われている世界最高エネルギーの粒子衝突実験です。LHCと呼ばれる山手線の周長に匹敵する大きさの加速器で加速した陽子同士を衝突させます。衝突で発生する膨大な数の粒子の中に現れると期待される未知の「超対称性」粒子を探索しています。
講演ではATLAS実験で発見されたヒッグス粒子,未知粒子の探索について紹介します。

ハドロン・ハイパー核の物理

藤岡 宏之(ふじおか ひろゆき)
東京工業大学理学院物理学系准教授
専門はハドロン物理、ハイパー核物理の実験。ハドロンはクォークから構成される粒子の総称で、陽子や中性子、π中間子などが属します。J-PARCでは、Λ粒子が原子核に含まれているΛハイパー核の研究を行っています。原子核の内部で陽子と中性子の間に働く力(核力)と比較し Λ粒子とΛ粒子の間にどのような力が働くかを探うとしています。
講演では、茨城県にあるJ-PARC におけるハドロン物理、ハイパー核物理実験を紹介したいと思います。

重力波の物理

宗宮 健太郎(そうみや けんたろう)
東京工業大学理学院物理学系准教授
専門は重力波物理
重力波はブラックホールの合体や超新星爆発などの天体現象で生じる時空のさざ波です。数億光年の遠方から飛来する重力波の振幅は10のマイナス22乗ほどしかありませんが、巨大なレーザー干渉計を使って微小な変位を測定することで、人類はこれまでに100例ほどの重力波信号を観測しました。今後のさらなる観測で、さまざまな宇宙や重力の謎を解明できると期待されています。
講演では、重力波望遠鏡の仕組みと背景雑音に埋もれた重力波を見つけ出す解析方法の紹介をします。

OB/OG招待講演

前田 順平(まえだ じゅんぺい)
神戸大学大学院 理学研究科物理学専攻 講師
専門は素粒子実験
現在世界最高エネルギーの粒子加速器「LHC」で行われている実験「ATLAS」で新粒子の探索をしています。LHCは1秒間に約4千万回の頻度で衝突事象が起こるため、全ての事象のデータを取得できません。私は「このデータを取る!」ということを判断するシステム「トリガー」の運転・改良をしています。
最先端の素粒子実験ではビッグデータをどう取り扱って物理結果を出しているのか、お話ししたいと思います。また、約18年前からの東工大学生の経験談や、その後の切っても切れない私と東工大の話も出来ればと思います。
神戸大学粒子物理学研究室 https://ppwww.phys.sci.kobe-u.ac.jp/

OB/OG招待講演

齊藤 敦美 (さいとう あつみ)
日本電気グローバルイノベーションユニット研究開発部門データサイエンス研究所
専門は機械学習、データマイニング、大学院での専門は原子核物理実験
中性子過剰核と呼ばれる、天然には存在しない中性子が多くくっついた原子核についての性質を研究していました。とくに興味があったのはダイニュートロンという2つの中性子が原子核の中で仲良く振る舞う現象で、これを実験的に確かめるための研究をしていました。
講演では理化学研究所RIビームファクトリーで行った実験の結果についてお話します。その他東工大での思い出に加えて、現在の民間企業での研究についてや博士のキャリアについてもお話したいと思います。