活動報告
講習会 後期3日目
2022年11月19日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」後期2日目が開催されました。9名の高校生の参加、および5名の本学スタッフ(3名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では、東京工業大学理学院物理学系 宗宮 健太郎 准教授より、重力波の物理について講義いただきました。一般相対性理論から示唆される重力波の存在をどのように直接検出したのか、歴史的経緯を踏まえながら解説いただきました。また実習では重力波の初観測データ(GW150914)の波形データからの重力波の信号抽出を実演後、シミュレーションデータを用いて質量やスピンの分からない重力波の波形を探索してもらいました。
宗宮先生、講義の様子
講習会 後期2日目
2022年11月12日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」後期2日目が開催されました。11名の高校生の参加、および2名の本学スタッフの参加がありました。
前半の講義では、東京工業大学理学院物理学系 藤岡 宏之 准教授より、ハドロン物理・ハイパー核物理について講義いただきました。特にJ-PARCでハドロン実験施設にて行われている実験を中心にどのような研究が行われているかを紹介いただきました。また実習としてドイツGSIで行われた \(\eta'\) 原子核探索実験の校正データを用いてmissing mass法による質量解析や磁気スペクトロメータの校正方法について学びました。
実習後半パートでは、sklearnを用いた機械学習モデルの構築方法や、Belle II実験の擬似データを用いて実際の物理解析(多変量解析)への機械学習の応用方法を学びました。
藤岡先生、講義の様子
講習会 後期1日目
2022年11月5日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」後期1日目が開催されました。12名の高校生の参加、および4名の本学スタッフ(1名の研究室OB/OG、1名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では、神戸大学大学院 理学研究科物理学専攻 前田順平 講師より、LHC/ATLAS実験についてトリガーシステムを中心にどのように大量に生成されるデータが処理されるのか講演いただきました。毎秒PB級のデータが生成されるATLAS実験において、いかに興味のある物理事象のデータだけを取り出すのか?近年の機械学習の応用例なども含めて解説いただきました。また、久世研究室卒業生として、学生時代の思い出や、経験がどのように現在の研究活動に繋がっているのかなどお話いただきました。
実習後半パートでは、pythonプログラミングと基本パッケージ(numpy, pandas, matplotlib)の使い方、Belle II実験の物理シミュレーションによる荷電粒子のイベントディスプレイの作成を行いました。
前田先生、講義の様子
講習会 前期3日目
2022年10月22日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」前期3日目が開催されました。9名の高校生の参加、および3名の本学スタッフ(1名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では、東京工業大学理学院物理学系 陣内修 教授より、コライダーを用いた素粒子物理およびヒッグス粒子について解説いただきました。素粒子の質量獲得機構、ヒッグス場とヒッグス粒子の関係など素粒子物理最前線のテーマを紹介していただきました。関連実習では \(H \to ZZ^{*}\to 4l\) のATLASオープンデータを用いてヒッグス粒子の質量分布を再構成しました。
実習後半パートでは、飛跡検出(Track finding)のアルゴリズムの一例としてハフ変換を用いた直線飛跡の検出プログラムを作成しました。
陣内先生、講義の様子
講習会 前期2日目
2022年10月15日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」前期2日目が開催されました。13名の高校生の参加、および3名の本学スタッフ(1名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では、東京工業大学理学院物理学系 中村隆司 教授より、原子核物理の基礎から不安定核研究の最前線まで解説いただきました。原子核研究とは何を目指しているのか? 宇宙の成り立ち(元素合成)や中性子星との関連性などさまざまな観点から説明いただきました。 また、近年その存在が示唆されている「リトル中性子星」とも言えるテトラニュートロン(4中性子からなる原子核)探索実験の、測定方法や最新の研究結果を紹介いただきました。
実習パートでは、荷電粒子の運動量測定の原理、位置検出器の擬似データから荷電粒子の飛跡を再構成する方法を学びました。またpyROOTを用いたヒストグラム作成・Treeをつかったイベントの事象選別の基礎を学びました。
中村先生、講義の様子
講習会 前期1日目
2022年10月8日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核宇宙 (DSPN2022)」前期初日が開催されました。19名の高校生の参加、および8名の本学スタッフ(2名の研究室OB/OG, 2名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の卒業生招待講義では、NECグローバルイノベーションユニット研究開発部門 齊藤 敦美 研究員より、データサイエンスの最前線、理化学研究所RIBFでのダイニュートロンと呼ばれる不安定核中での2中性子ペアリング現象に関する研究について解説していただきました。 また、中村研究室卒業生として東工大での研究生活、その後の民間企業における研究生活などお話いただきました。自身のやりたいこと・特性などを俯瞰的に分析し、多様な選択肢がある中どのように研究キャリアを進めてきたのかなど普段はなかなか聞くことができないお話を伺うことができました。
実習パートでは、プログラミング言語Pythonの基礎、numpy, pandas, matplotlibなどのPythonパッケージの基本的な使い方を学びました。
齊藤先生、講義の様子