活動報告

講習会 後期3日目

2021年12月4日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」後期3日目が開催されました。6名の高校生の参加、および5名の大学スタッフの参加がありました。
前半の講義では東京工業大学理学院物理学系教授の藤岡宏之 准教授より、「J-PARC : ハドロン物理」というタイトルでハドロン物理研究、ハイパー核物理学について講演していただきました。陽子、中性子, \(\pi\) 中間子に代表されるクォーク(および反クォーク)から構成されるハドロンがクォーク多体型として存在する理論的背景から、核力を一般化したバリオン間力の理解へむけたJ-PARCでの最先端の実験などを解説していただきました。
実習ではドイツGSIで行われた \(\eta ^{'}\) 原子核探索実験の較正データを用いたダイポール磁石スペクトロメータによる運動量分析、およびmissing mass法による質量測定解析に挑戦しました。
最終セッションでは、受講生による成果発表会が開催されました。実習内容で興味を持ったテーマについてパラメータを調整して結果の変化を調べたり、高校で学んでいる物理テーマに関して本講習で学んだ解析手法を用いて数値計算、グラフ化を行うなど多彩な発表がなされました。
藤岡先生、講義の様子
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講習会 後期2日目

2021年11月27日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」後期2日目が開催されました。5名の高校生の参加、および2名の大学スタッフの参加がありました。
前半の講義では東京工業大学理学院物理学系教授の陣内修 教授より、「素粒子質量の謎-ATLAS実験-」というタイトルでヒッグスの物理、コライダーの物理を中心に講演いただきました。2012年に発見された標準粒子最後の素粒子-ヒッグス粒子-。ヒッグス粒子の発見、その背後にあるヒッグス場がどのような性質を持ち、すべての素粒子に質量を与えているのか、受講生との対話を交えながら解説いただきました。
実習パートではATLASオープンデータを用いた \(H \to ZZ^{*}\to 4l\) イベントの事象再構成に挑戦しました。4つの荷電レプトンの4元運動量を組み合わせることでヒッグス粒子の質量を再構成できることを学びました。
Belle II物理データ解析では機械学習を用いてB中間子事象と背景事象の分類最適化を行いました。複数の特徴量から背景事象との違いを同時最適化するために決定木、多層パーセプトロンなどの機械学習アルゴリズムを適用し、その予測性能などを検証しました。
陣内先生、講義の様子
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講習会 後期1日目

2021年11月20日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」後期1日目が開催されました。8名の高校生の参加、および4名の大学スタッフの参加がありました。
前半の講義では千葉大学グローバルプロミネント研究基幹・大学院理学研究院 永井 遼 助教より、「南極でニュートリノを測定する-IceCube実験-」というタイトルで宇宙ニュートリノに関わる物理について講演いただきました。南極氷河を用いた超巨大な体積を持つニュートリノ検出器IceCube。そのユニークな実験アイデア、検出器建設・オペレーションの紹介とともに、なぜ宇宙からやってくる高エネルギーニュートリノに対してIceCubeは優れた感度があるのかについて説明していただきました。
IceCubeによる高エネルギーニュートリノ観測とFermiLAT衛星、MAGIC地球望遠鏡によるガンマ線測定による初の天体現象同時観測の解説、マルチメッセンジャー天文学の未来について語っていただきました。
また千葉大学グループでのIceCube-Upgradeにむけた新型検出器開発の現状、陣内研OBとしてすごした大学生活についてもお話しいただきました。
後半実習パートでは、Belle II実験のソフトウェアを用いた検出器シミュレーション、事象再構成のプログラム作成、イベント形状変数を用いたB中間子事象と、ジェット事象との分類最適化について挑戦していただきました。
永井先生、講義の様子
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講習会 前期3日目

2021年10月23日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」前期3日目が開催されました。9名の高校生の参加、および4名の大学スタッフ(2名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では東京工業大学理学院物理学系教授の久世正弘 教授より、「素粒子物理学への誘い ミクロの世界と宇宙のつながり~ニュートリノ実験を中心に~」というタイトルで素粒子、特にニュートリノに関わる物理について講演いただきました。素粒子標準理論拡張への鍵となる素粒子 -ニュートリノ- 。パウリのニュートリノ仮説によるベータ崩壊の理解、ニュートリノ振動の発見と歴史的な経緯を解説するとともに、ニュートリノ研究における日本人研究者の先駆的成果について紹介いただきました。
久世研究室の大学院生Lukas Bernsさんと泉山将大さんよりT2K, Super-Kamiokande (SK), Hyper-Kamiokande実験についての紹介とともに、SKでの大気ニュートリノ振動発見の物理解析を再現する実習が行われました。
また、Belle II実験のソフトウェアを用いた電子・陽電子衝突におけるB中間子ペア生成シミュレーションの実習も行いました。
久世先生、講義の様子
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講習会 前期2日目

2021年10月16日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」前期2日目が開催されました。7名の高校生の参加、および2名の大学スタッフの参加がありました。
前半の講義では東京工業大学理学院物理学系教授の中村隆司 教授より、「我々はどこからやってきたのか?-- 不安定核の物理」というタイトルで原子核物理について俯瞰的な講義をしていただきました。
物質の階層性(素粒子・原子核・原子・分子)の説明から始まり、原子核発見の歴史的経緯、我々が現在理解している原子核像など解説後、原子核研究と宇宙創成の歴史とのつながり(元素合成)についても説明していただきました。 講演後、受講生から中性子星についての質問などがあり、活気のある講義となりました。
実習パートでは、荷電粒子の運動量測定の原理、飛跡検出、運動量推定のアルゴリズムについて学びました。
中村先生、講義の様子
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講習会 前期1日目

2021年10月2日、高校生向け講習会「データサイエンス素粒子原子核」前期初日が開催されました。10名の高校生の参加、および8名の大学スタッフ(2名の研究室OB, 2名の大学院生含む)の参加がありました。
前半の講義では、大阪大学核物理研究センターの小林信之 助教より、原子核物理入門、理化学研究所RIBFでの不安定核の中性子ハロー構造に関する研究について解説していただきました。
実験後の物理解析、論文掲載までのロードマップなど貴重なお話もしていただきました。
また、中村研究室OBとして、東工大での研究生活についても語っていただきました。
実習パートでは、プログラミング言語Pythonの基礎、numpy, pandas, matplotlibなどのPython基本パッケージの講習が行われました。
小林先生、講義の様子
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