プログラム

日時

前期・1日目

10/14

13:00 - 13:20

開会式

13:20 - 14:00

自己紹介・集合写真撮影

14:00 - 15:00

講義 不安定核物理 近藤 洋介

15:15 - 17:00

実習 pythonプログラミング基礎 内田 誠

前期・2日目

10/21

13:00 - 14:20

実習 荷電粒子の運動量測定 内田 誠

14:40 - 16:00

実習 pyROOT基礎 内田 誠

前期・3日目

11/4

13:00 - 14:00

講義 重力波の物理 宗宮 健太郎

14:15 - 15:25

前半講義トピックに関連した実習

15:40 - 17:00

実習 素粒子発生事象の再構成 内田 誠

後期・1日目

11/11

13:00 - 13:20

開会式

13:20 - 14:00

自己紹介・集合写真撮影

14:00 - 15:00

講義 原子核物理 関口 仁子

15:15 - 17:00

実習 Belle II 多変量解析基礎 内田 誠

後期・2日目

11/18

13:00 - 14:00

講義 コライダーの物理 陣内 修

14:15 - 15:25

前半講義トピックに関連した実習

15:40 - 17:00

実習 Belle II 機械学習を用いた物理事象解析 内田 誠

後期・3日目

11/25

13:00 - 14:00

OB・OG招待講演 留目 和輝

14:15 - 15:25

実習 Belle II (TBD) 内田 誠

15:40 - 17:00

発表会・閉会式

講師紹介

コライダーの物理

陣内 修(じんのうち おさむ)
東京工業大学理学院物理学系教授
専門は高エネルギー素粒子実験。
我々の宇宙を構成する物質・力の基本となる素粒子を調べています。「ATLAS」はスイス・ジュネーブのCERN研究所で行われている世界最高エネルギーの粒子衝突実験です。LHCと呼ばれる山手線の周長に匹敵する大きさの加速器で加速した陽子同士を衝突させます。衝突で発生する膨大な数の粒子の中に現れると期待される未知の「超対称性」粒子を探索しています。
講演ではATLAS実験で発見されたヒッグス粒子,未知粒子の探索について紹介します。

原子核物理

関口 仁子(せきぐち きみこ)
東京工業大学理学院物理学系教授
専門は原子核物理実験。
すべての物質は原子からできています。原子の中をさらにのぞくと、その中心に原子核があります。20世紀初頭、原子核に働く「核力」よばれる力を解明することは物理学者の大きな夢でした。その金字塔となる理論を提唱したのが湯川秀樹博士です。湯川理論から約90年、核力研究はさらに面白い状況になっています。その一つが三体核力と呼ばれる核力で、元素合成や中性子星の性質を理解する上で、とても重要な役割を果たすと考えられています。
講義では、現代の原子核物理学と核力にまつわるお話をさせて頂きます。

重力波の物理

宗宮 健太郎(そうみや けんたろう)
東京工業大学理学院物理学系准教授
専門は重力波物理
重力波はブラックホールの合体や超新星爆発などの天体現象で生じる時空のさざ波です。数億光年の遠方から飛来する重力波の振幅は10のマイナス22乗ほどしかありませんが、巨大なレーザー干渉計を使って微小な変位を測定することで、人類はこれまでに100例ほどの重力波信号を観測しました。今後のさらなる観測で、さまざまな宇宙や重力の謎を解明できると期待されています。
講演では、重力波望遠鏡の仕組みと背景雑音に埋もれた重力波を見つけ出す解析方法の紹介をします。

不安定核物理

近藤 洋介(こんどう ようすけ)
東京工業大学理学院物理学系助教
専門は不安定核物理実験。
陽子と中性子という2種類の粒子からなる原子核は、陽子・中性子の数に応じて性質が様々に変化します。天然に存在する原子核よりも陽子や中性子の数が極端に異なるものはまだ謎に包まれており研究が進められています。またそうした原子核の性質を明らかにすることは重元素の起源を解明することにもつながります。
講演では理化学研究所RIビームファクトリーで行われている世界最先端の原子核研究を紹介します。

OB・OG招待講演

留目 和輝(とどめ かずき)
東京工業大学理学院物理学系助教
専門は高エネルギー素粒子実験。
スイス・ジュネーブで行われている、世界最高エネルギーの粒子加速器LHCを用いたATLAS実験で宇宙の初期に迫る実験をしています。 人類未到達の新物理を探索するため、短時間で大量の実験を行い、そこから非常に稀にしか起こらない現象を探っています。 実験で生成されるデータ量は毎秒数千テラバイトにも至るため、それらを即座に取捨選択するシステムを開発しています。
講演では、最近行っている研究活動だけでなく、14年前からの東工大生としての学生生活・研究活動や、その後去年まで所属していた海外での研究生活などもお話しできればと思います。

ハドロン・ハイパー核物理

内田 誠(うちだ まこと)
東京工業大学理学院物理学系助教
専門はハドロン・ハイパー核物理
高エネルギー加速器研究機構(つくば市)にて行われた電子・陽電子衝突実験 Belle では小林益川理論に基づく粒子対称性(CP対称性)の破れを実験的に明らかにしました。 またクォーク2つと反クォーク2つからなるテトラクォークと呼ばれる新しいハドロンの存在形態を世界で初めて発見しました。 現在アップグレードした検出器・加速器による Belle II 実験が行われています。
実習では Belle II のソフトウェアを用いて素粒子事象発生から・検出器シミュレーション・事象再構成などの物理解析の基本的な流れを体験してもらいたいと思います。 必要となるpythonプログラミング・運動量測定の方法・機械学習を用いた事象選別の方法などもお伝えしたいと思います。
Belle II 実験HP https://belle2.jp